JA会津よつば 営農部ふるさと直販課 五十嵐課長のお話
はじめまして、JA会津よつば 営農部ふるさと直販課の五十嵐と申します。私はJA会津よつばが取り扱っている農畜産物を海外に向けてPRしたり、実際に現地の飲食店で利用してもらえるように営業をする仕事に携わっています。そのなかで、「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」も海外で紹介してきました。
<ドバイでの商談の様子>
例えば、今年の2月にはドバイで営業を行いました。ドバイはイスラム圏の都市なので、本来お酒の販売は禁止されています。当JAのドバイディストリビューターの協力のもとドバイでお酒の販売を許可されている2社の卸売会社のうち1社と関係を築くことができ、「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」を取り扱っていただけることになりました。その後、ドバイの飲食店10社をまわりそのうち2社からそれぞれ12本ずつ発注をいただきました。ドバイ以外にもアゼルバイジャン(純米吟醸12本)と香港(大吟醸6本、純米吟醸18本)から発注をいただき、これまでに36本の「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」を輸出しました。
<香港での商談の様子>
■新型コロナウイルスの影響
<輸出がストップして在庫になっている「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」>
しかし、順調に進んでいた「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」の海外展開は新型コロナウイルスの影響で大きな打撃をうけました。2月にドバイに輸出したのを最後に、その後は海外からの発注を一切いただけていません。そのため、輸出用に造っていた「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」約2,500本の内、約1,200本(大吟醸約900本、純米吟醸約300本)は在庫になっています。
コロナ禍でもなんとか日本酒を発注していただくためにオンライン商談会に参加したり、商品サンプルを輸出したりしているのですが、なかなか厳しい状況です。来年の2月にはドバイとのオンライン商談会に参加する予定ですが、もし渡航規制が解除されたら、実際に現地に足を運んで商談を行うつもりです。
「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」を造る合資会社辰泉酒造
新城社長のお話
はじめまして、辰泉酒造の新城と申します。辰泉酒造では地元会津のお米を使って、美味しい日本酒を造り・広げることで、会津全体の知名度や食文化を盛り上げていきたいという思いをもって明治時代より酒造りに取り組んでいます。「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」を辰泉酒造で醸造して欲しいとJA会津よつばさんから頼まれたときは、弊社の製造規模を考慮して一度はお断りしました。しかし、どうしてもというJA会津よつばさんの熱意と「天のつぶ」という福島県の新しいオリジナル品種で日本酒を造ってみたいという思いから、うちの酒蔵で「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」の醸造をさせて頂く事に決めました。
■「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」を造る際のこだわり
<洗米の様子>
日本酒の醸造にはいくつも工程がありますが、その工程のなかでも特にこだわっているのが洗米です。お米を洗う際の水流の強さや洗い方に細心の注意を払い、お米が割れないようにしています。発酵の工程では0.5度単位で温度を管理することが必要となりますが、お米が割れていると発酵が不安定となり、温度の変化が大きくなってしまいます。そうすると、日本酒度・酸度・アルコール度数を目標の数値に近づけるのが難しくなり、最終的な酒質(味の総合評価)のバランスが崩れるリスクが大きくなります。(いなわしろ天のつぶ純米大吟醸の目標値は日本酒度-3~-5・酸度1.5~1.6・アルコール15~16%、純米吟醸の目標値は日本酒度±0~+2・酸度1.8~1.9・アルコール16%ですので、ほぼ目標通りの数値を達成しています。)
■「いなわしろ天のつぶ純米大吟醸・純米吟醸」の味わい
①いなわしろ天のつぶ純米大吟醸の味わい
香りに米の甘味を十分に湛えたコクのある豊かな味わい。熟成による柔らかな口あたりで、余韻は芳醇な香りが長く続き食欲を引き立てます。食前酒として最適です。また、常温では、甘み・旨みが濃厚なソースを使った料理によく合います。(牛すきやき、角煮、ウナギの蒲焼、チョコレートムース、ティラミス、プリンなど)
米貯蔵用の低温倉庫で約1年間じっくり熟成しており、ほのかにライトイエローに輝くお酒は、まろやかにかつ深みが増した仕上がりなっております。
②いなわしろ天のつぶ純米吟醸の味わい
主食用米として、第三者認証JGAPを取得した海外でも評価が高い「いなわしろ天のつぶ」を使用。メロンのような穏やかな香りと柔らかな甘み、そしてクリアーな酸味が融合し、熟成によるまとまりのある味に仕上がっており、余韻はキレよく辛口の印象。食中酒として、ぬる燗(40℃)が最適です。季節の鍋物によく合います。(鶏の水炊き、おでんなど)
米貯蔵用の低温倉庫で約1年間じっくり熟成しており、イエローに輝くお酒は、柔らかさがある仕上がりとなっております。