プロジェクト概要
ゆでぼし大根は長崎県西海市の特産品として昔から作られています。主に九州地方や関西地方に出荷され、スーパーや飲食店の惣菜や学校給食などに利用されていました。しかし、新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込み、試食会などの販促活動もできない状況にあります。また、近年の生産資材等の高騰により今後の生産が危ぶまれています。
昔ながらの製法を守り続けているゆでぼし大根をこれからも残していきたい。多くの方にゆでぼし大根を食べてもらうことで、生産者にやりがいを感じてもらい、産地に活気を取り戻したい。そんな思いでプロジェクトの実施を決定しました。
JA長崎せいひ 田崎さんのおはなし
<JA長崎せいひ 田崎さん>
ゆでぼし大根はJA長崎せいひ管内の西海市とJAごとう管内の五島のみで作られている商品です。西海市に限るとゆでぼし大根を作っている農家はわずか30軒程しかありません。JA長崎せいひではゆでぼし大根の伝統を守るため、また多くの人にゆでぼし大根の魅力を知ってもらうため、小学校等での食育活動などにも取り組んでいます。
ゆでぼし大根の原料について
<青首大根(左)と大栄大蔵大根(右)の画像>
ゆでぼし大根には大栄大蔵大根という白首大根が原料として使われています。一般的によく食べられている青首大根に比べて、①きれいな飴色に仕上がる・②1.5~2.0倍の大きさがあり、歩留まりが良い・③煮崩れしにくいという特徴があります。
ゆでぼし大根ができるまで
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播種
おおむね12月から2月いっぱいにゆでぼし大根を干して乾燥させれるように、9月から播種を開始します。種子は播きやすいように加工されたもの(シーダーテープ)を使います。
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収穫
例年、12月頃からゆでぼし大根の生産に入ります。収穫した大根を畑で葉と根の先端部分を切り落し、加工場へと運搬します。その後、洗浄機で丁寧に洗浄します。
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揃え・切断
1本ずつ手作業で「ひげ根」「傷」「色が悪い部分」を中心に皮をむいていきます。(この作業をおろそかにするときれいな飴色に仕上がりません。) 皮むき後、専用の機械で短冊状(幅10mm、厚さ5~6mm)にカットします。カットした大根は機械の下にセットしてある籠へと入れられます。

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ゆがき
切断された大根で満杯になった籠をクレーンで吊るしボイラーの中へ入れます。その後ムラがでないように、よく混ぜながら約10~15分ゆがきます。
この時、ゆがき過ぎると煮崩れを起こし、逆にゆがきが足りないと仕上がった製品の艶がなくなり白っぽくなってしまいます。
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乾燥
ゆがきあがった大根をやぐら(干場)へと運び、ムラがないように広げます。大根を干す際には2つのポイントがあります。
ポイント1:干す厚み
風が強い日は乾きが早く、風の影響で大根が端の方へと飛ばされてしまうため、厚めに広げます。逆に風が弱い日は乾きが悪くなるため、薄めに広げて干します。
ポイント2:ほぐし作業
ゆがいた大根から染み出た糖分で、大根がくっつくのを防ぐため、また乾燥ムラを防ぐためにほぐし作業を行います。乾燥具合によっては深夜に起きて作業しなければならないこともあり、ゆでぼし大根作りの中で一番大変な作業です。
また、乾燥作業を行う日は天気予報を見ながら決めています。雨が降らない日を選ぶのはもちろんのこと、冷たく乾燥した北西の風(季節風)がやぐらに吹きつける日をねらって作業を行います。この風が大根に吹きつけることで一昼夜で奇麗な飴色のゆでぼし大根へと仕上がるのです。風が効率的に当たるようにやぐらも海岸に沿った崖の上に北西の方向を向け、海へ突き出てるように組んでいます。良い風が吹く日を「大根風」または「大根日和」と呼ぶ地区もあります。

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仕上げの乾燥作業
やぐらでの乾燥を終えると、自宅の乾燥機で最後の仕上げを行います。温風による乾燥を行った後に、風をあてることでパリッとしたゆでぼし大根に仕上がります。
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集荷・出荷
仕上がったゆでぼし大根はJA指定の袋に入れて集荷場に集められます。金属探知機に通された後、段ボールに詰めて低温貯蔵庫(-5℃)に保存します。
ゆでぼし大根と切り干し大根の違い
※左が切り干し大根、右がゆでぼし大根
ゆでぼし大根に似た食品に切り干し大根がありますが、この2つにはいくつかの違いがあります。ゆでぼし大根はその名の通り茹でるという作業を行っているため、きりぼし大根に比べて柔らかく、味が染み込みやすいという特徴があります。また、茹でることによって大根特有の辛味や雑味がアクとして抜けることに加え、厳しい冬の寒にあたったことにより、大根本来の甘みを感じることができます。
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ゆでぼし 大根 |
切り干し 大根 |
カット幅 |
太い |
細い |
ゆがき 作業 |
あり |
なし |
外観 |
飴色 (仕上げにより差アリ) |
白っぽい |
食味等 |
・柔らかい ・味が染みこみやすい ・戻し時間が短い |
・歯切れが良い ・ゆでぼしより やや染みこみにくい ・やや戻し時間が長い |
■ゆでぼし大根の栄養成分について
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ゆでぼし 大根 |
切り干し 大根 |
大根 (生) |
エネルギー (kcal) |
222 |
279 |
18 |
たんぱく質 (g) |
8 |
5.7 |
0.8 |
脂質 (g) |
0.5 |
0.5 |
0.1 |
食物繊維 (g) |
27.1 |
20.7 |
1.4 |
ナトリウム (mg) |
214 |
270 |
17 |
カルシウム (mg) |
350 |
540 |
30 |
ビタミンB1 (mg) |
0.02 |
0.04 |
0.28 |
リン (mg) |
294 |
210 |
17 |
鉄 (mg) |
4.5 |
9.7 |
0.3 |
マグネシウム (mg) |
104 |
170 |
10 |
ゆでぼし大根は生の大根に比べ、食物繊維はおよそ20倍。カルシウムは12倍、リンは17倍、マグネシウムも10倍など、栄養が凝縮された食材です。
おすすめのレシピ
ゆでぼし大根のサラダ
〈材料:4人分〉
- ・ゆでぼし大根…20g
- ・きゅうり…50g
- ・にんじん…20g
- ・ハム…20g
- ・市販のドレッシング…適量
〈作り方〉
- ゆでぼし大根を水で戻し(15~20分)、水気を切り、3~4cmに切る。
- にんじん、きゅうり、ハムは千切りにする。
- ゆでぼし大根、にんじん、きゅうり、ハムをお好みのドレッシングであえる。
ゆでぼし大根の煮物
〈材料:4人分〉
- ・ゆでぼし大根…25g
- ・馬鈴薯…2個
- ・にんじん…1本
- ・鶏肉…100g
- ・インゲン…3本
- [調味料]
- 砂糖…大さじ1
- 醤油…大さじ2
- みりん…大さじ1
- 料理酒…大さじ1
- 油…大さじ1
- だしの素…適量
- みず…300cc
〈作り方〉
- ゆでぼし大根を水に戻し(15~20分)、水気を切る。油を熱し、食べやすい大きさに切った鶏肉を炒める。
- 馬鈴薯、にんじんを入れ炒める。
- 水を加え野菜に火が通ったら、ゆでぼし大根とだしの素を入れる。
- ひと煮立ちしたら調味料[砂糖、醤油、みりん、料理酒]を入れて味をつける。
- 煮汁が半分になったら、斜め切りにしたインゲンを入れしばらく煮る。
支援者へのメッセージ
ゆでぼし大根は昔ながらの伝統を守って作られ続けている、珍しい土地でつくられた珍しい食品です。今後もこの素晴らしい食品を守っていきたいので、ぜひ応援購入をお願いします。
スケジュール
本プロジェクトはALL-in方式で実施します。
2023年2月1日~
2023年3月31日 |
支援募集期間 |
2023年4月上旬 |
順次リターン品を発送致します。 |
本プロジェクトの登場人物
■本プロジェクトの実行者
- 全国農業協同組合連合会長崎県本部(全農ながさき)・生活部流通対策課
住所 :長崎県長崎市出島町1-20
電話番号:095-820-2114
- JA長崎せいひ・北部営農経済センター
住所 :長崎県西海市西彼町小迎郷830
電話番号:0959-28-1111
Q&A
- リターン品はいつ発送されますか?
- 4月上旬に発送いたします。
- お届け日の指定は可能ですか?
- 希望日を承ることはできません。あらかじめご了承ください。
- ギフトにも使えますか?
- 配送先を指定することができます。支援申込ページの配送先で、送付先を指定ください。ただし簡易包装のみ対応で、ギフト包装や熨斗は対応しておりません。
- リターン品はどこから届きますか?
- JA長崎せいひより発送いたします。
- リターン品はどんな状態で届きますか?
- 常温便にて発送いたします。
- 決済について質問がある
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