2011年3月11日
東日本大震災では、福島県本宮市にある当社も甚大な被害を受けました。牛乳を入れた30t タンクが傾くなど、機械・建物の破損が発生しました。
連日連夜の復旧作業でなんとか製造可能となったものの、原発事故の影響による放射性物質に対する不安から福島の牛乳の購入をためらうお客様が増え、牛乳の売上が激減しました。当社は、この状況を改善するべく、試行錯誤を重ね、「東北のみんながんばろう牛乳・ヨーグルト」を発売し、売上の一部を被災地支援に役立てていただくために寄附を行い、震災に負けないどころか「福島から元気を発信!」と奮起し、取組みを行いました。
2012年11月19日
東京大学薬学部の関水教授(当時)は、キウイの皮から見つかった乳酸菌を研究し、自然免疫活性化の非常に高い「11/19-B1株」を発見しました。 震災を目の当たりにした関水教授が、2013年1月「研究を研究で終わらせず、世の為に活かしたい!」との願いでかけた当社への一本の電話。福島県産乳を使用した製品を作り、地域の酪農業を元気にしたい!そして地域の人々の健康をサポートしたいと願う当社が共鳴し、共同研究開発を開始しました。
乳酸菌「11/19-B1 株」は、とてもデリケートで、製品化するにはかなりハードルが高く、大変な苦労がありました。あきらめずに1年半の間、共同研究開発を重ね、2014年7月、ついに生乳本来の自然な美味しさとなめらかな口どけが味わえるように生乳を70%以上使用しつつ、香料・安定剤不使用のシンプルかつ洗練されたヨーグルトが完成しました。
すべてが変わってしまった東日本大震災から、10年。福島に残り、この地で懸命に酪農を続ける人々と共に働き、変わらず新鮮な生乳を使用した製品をお客様に届けたい、この元気な福島と願いを込めたヨーグルトのことを、ひとりでも多くの人に知ってもらいたい、そんな夢や希望から生まれた「11/19-B1乳酸菌ヨーグルト」は、当社従業員の活力と誇りになり、品質・美味しさにも自信のある看板商品に育っています。
2月13日23時7分頃、福島県沖を震源として福島県で最大震度6強の地震が発生しました。
福島県内では公共施設など247棟に被害があったほか、県管理の道路で5カ所、市町村道58カ所で被害が確認されたということです。本宮市内でも、3/10時点でもまだ稼働停止したままの工場があります。東北協同乳業の生産設備に関しても、製造ラインの配管類を中心に被災による故障が発生しました。
しかし、地震直後から職員による徹夜の応急処理にて、クーラーステーション機能は維持することが出来その結果、福島県内の酪農家さんの生乳受入れを止めることなく稼働しております。また、2/14~24まで一部製品に関しては、製造を一時停止しておりましたが、職員と設備事業者による連日の復旧作業により、現在はすべて製造を再開しております。
※クーラーステーション・・・福島県内の酪農家さんから集められた生乳を、受入れ検査後、工場内タンクの中で冷却貯蔵する施設の事
本当の意味での被災地復興とは、弊社もまだ模索中です。私たちは2回の震災被害を乗り越え、酪農乳業を通して、地域社会への貢献と、消費者の皆さまの健康維持サポートを続けていきます。
また、売上の一部で、東日本大震災に伴う被災地復興支援や東京大学と共に教育活動支援として、毎年寄付を行っています。東京大学で発見された乳酸菌を使ったヨーグルトで、福島の震災復興に役立ちたい、元気を発信したいという考えがもととなっており、教育支援や復興支援は弊社の大切な役割だとおもっております。
今後とも皆様の温かいご愛顧・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。